公益財団法人 日本生命済生会 日生病院

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麻酔・緩和医療科

大阪大学麻酔科との協力関係の下、診療を行なっています。 麻酔管理では、2013年麻酔科管理1487例の外来での術前診から始まり、安全な麻酔管理(高齢の方・合併症のある方を含む)、 痛みのない術後管理を目標にしています。一方、ペインクリニック外来では、様々な痛みの診断及び治療を行なっております。
緩和ケアチームではチームの中核として活動し、主に身体症状の緩和を担っています。がん性疼痛に対しコーンビームCTガイド下内臓神経ブロック(腹腔神経叢ブロック)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)を始めました。腹水貯留でお困りの方は、腹水濾過濃縮再静注法(CART )により3日程度の入院で腹水を除去、再静注することができます。

腹水濾過濃縮再静注法(CART)

腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy:CART)は難治性腹水に対する治療法の一つで、癌、肝疾患、腎疾患等に起因して貯留する難治性腹水を体外に取り出して濾過濃縮し、得られた自己蛋白溶液を患者に再静注する方法です。CART施行には血液処理用装置が必要で、腹水処理は4L程度まで可能ですが、KM (Keisuke Matsusaki) -CARTは機器を簡素化し、腹水処理能力も10L程度まで可能とした改良法です。
我々は癌性腹膜炎による腹水貯留に対しKM-CARTを施行し、疼痛・腹部膨満感・呼吸困難等の症状緩和を得られました。院外からも3日程度の入院で腹水除去、再静注することが可能ですので、他の医療機関で治療中の方もご紹介ください。

コーンビームCTガイド下内臓神経ブロック

上腹部の進行癌による難治性の疼痛は、内臓神経または腹腔神経叢に対する神経ブロックが有効です。内臓神経ブロックも腹腔神経叢ブロックも、従来はX線透視下に行われていましたが、近年X線CTガイド下に行うことで合併症を減らし鎮痛効果の確実性を向上させることが可能となりました。日生病院では放射線科の協力のもとコーンビームCTガイド下に内臓神経ブロック(腹腔神経叢ブロック)を開始しました。
 院外からも3日程度の入院でブロックが可能ですので、他の医療機関で治療中の方もご紹介ください。ブロックの適応の有無については麻酔・緩和医療科に直接お問い合わせください。
 内臓神経ブロックは上腹部の悪性腫瘍による内臓痛が適応ですが、腫瘍の浸潤が高度の場合は薬液の広がりが不十分で鎮痛効果が期待できません。臨床的には麻薬開始前後の病期が最も鎮痛効果が期待できます。進行する前にご紹介いただけるとブロックが可能となり、ブロック後紹介もとへ逆紹介することができます。

以下のような症状があるときは当科を受診ください。

  • 痛みの外来

    ペインクリニックは痛みの外来です。痛みの原因・種類を問わず、痛い方はどなたでも受診してください。痛みを和らげる治療を行いますが、原因の治療は他の科で行うこともあります。外来治療のみならず入院治療を行うこともできます。ペインクリニックで扱う代表的疾患は帯状疱疹、腰痛、癌性疼痛などです。

  • 帯状疱疹

    帯状疱疹は水疱が治まる頃から痛みが増強し、ひどいときは夜も眠れないほど痛くなります。可能であればブロック治療を行い、内服治療も併用します。ブロックは一度だけでなく繰り返し行うことになるので、しばらく通院が必要です。痛みが強い場合は入院してチュービングを行い、治療することもありますが、これは発症から早期の場合に効果的です。痛みのピークは発症から1から2ヶ月後と、皮膚の病変自体は治まった頃に激痛がくるので周辺の人には理解されず、治療が遅れることがあるので痛みがあれば受診も考えてください。

  • 腰 痛

    腰痛症は多くの人が持っていますが、これは人間が四つ足でなく二本足で歩行することで腰部の脊椎に負担がかかるため加齢により必然的に起こると考えられます。同様に首の骨にも負担がかかり頸椎症も起こりやすくなります。癌などと違って、症状が無いあるいは軽微であれば治療しなくてもかまいません。症状が痛みのみであれば痛みさえ取れれば良いので、内服薬やブロック治療を行います。数回ブロック治療をしたら落ち着いて、日常生活に戻れる場合があります。
    腰痛の場合、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症からの痛みで受診される方もあります。ブロック治療で軽快し手術せずにすむことがあるので、整形外科から紹介されて受診され両方の科でフォローすることになります。
    いわゆるぎっくり腰などの急性腰痛も対象となります。ぎっくり腰は腰椎椎間関節ブロックで劇的に軽快することがあります。

  • 癌性疼痛

    癌による痛みをとることは、厚生労働省も勧めていますが、日本では欧米よりも麻薬の使用量が少なく、まだまだ十分とは言えません。麻薬を飲むことが鎮痛の主流ですが、ブロック治療を併用することで痛みの緩和が得られることもあります。癌性疼痛の場合、原因の除去ができない場合が多く、痛みの緩和そして全身症状の改善を図りQOL(Quolity of Life)を向上させることが目標です。そのために精神科的アプローチで気分が落ち込みがちな患者様のサポートを行うなど多角的多面的な取り組みが必要です。他科と連携し、チームを組んで総合的に見ることができる体制作りに努めています。
    以前は長期に入院しての治療が主流でしたが、現在はなるべく外来通院で家族と過ごしながら疼痛の緩和を計ります。現在日本で使用可能な麻薬はモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、タペンタドール、メサドン、トラマドール、コデインなどで、経口・座剤・貼付が可能で、経口薬の中には即効性のシロップや粉末、長時間作用性の徐放薬など多岐にわたる剤形より個々の状態に合わせて選択します。麻薬による副作用の予防薬も併用しながら量の調整を行います。通院しながら微調整を行い、なるべくふつうの生活ができるよう努力しています。ブロック治療が必要となれば、入院治療も可能です。

  • その他

    三叉神経痛、頭痛(片頭痛・群発頭痛など)、五十肩などの痛みの疾患の診療を行っています。

  • ブロック治療

    ブロック治療とは局所麻酔をした後、専用の針で薬液を注入し、疼痛の軽減を図る方法です。ブロックの種類は多く、頭部から頚部、上肢、体幹、腰部、下肢とあらゆる場所で様々なブロックが行われています。疾患や痛みの程度によりブロックの種類を選択しますが、1回のみならず繰り返し行うことが多くあります。局所麻酔薬やステロイドによるブロックが一般的ですが、痛みの内容によっては永久ブロックの適応があります。アルコールやフェノール、高周波熱凝固で半永久的に神経をブロックすることで重症の疼痛の改善を図ることもあります。三叉神経痛や癌性疼痛では永久ブロックの適応となる場合があります。最近は高周波熱凝固療法を用いて、一時的ブロックと永久ブロックの中間的なブロックを目指す方法が話題となっています。当院には高周波熱凝固療法用機器は整備されていますので、適応のある患者様には積極的に行っています。

当科では以下の診療を行っております。痛みでお困りの時はお気軽にご相談ください。
ブロックなどにより痛みを軽減することで急性、慢性疾患を問わずQOLを高めることができます。

また以下の特殊検査と治療が可能です。