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女性骨盤底センター

概要

女性骨盤底センターでは、主に骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)や、排尿トラブル(尿失禁・頻尿) などの疾患について、産婦人科、泌尿器科、消化器外科、理学療法士、管理栄養士、看護師、助産師が連携して取り組んでいます。
女性の身体は、妊娠・分娩、閉経後のホルモン低下がきっかけとなり、排泄障害や骨盤臓器の下垂をきたすことがあります。また、便秘による排便時のいきみや度重なる咳やくしゃみ、足腰の衰えや腰椎変性疾患なども骨盤内臓器脱の発症・進行に関与します。40歳を超えると女性ホルモンが減少し始め、出産経験がある女性の25%の方が骨盤臓器脱に罹患していると言われています。骨盤内臓器脱は直接的死因にはなりませんが、頻尿、残尿感などの排尿トラブル、外陰部の脱出感など家族や仲間うちでも話題にしづらく、外出を避け、人付き合いやレジャーにも消極的になり、著しくQOL(生活の質)を低下させます。介護においても骨盤臓器脱や、その治療としてのペッサリーの扱い、排尿トラブル、パッドかぶれなど対応に困ることも多くなります。そういった諸症状に悩んでいる女性のために、当院では2014年に『女性骨盤底センター』を設立し、女性の骨盤臓器・筋群の機能低下に伴う疾患の治療を行っています。

特色・トピックス

当院では以前より腹腔鏡手術を積極的に行っており、骨盤臓器脱に対しても最新のLSC手術を早期に導入することが可能でした。その他従来より行っている膣式手術など、様々な手術を行うことができることが当院の強みです。再発が多いとされる骨盤臓器脱の手術ですが、症例による違い(年齢、性生活の有無、子宮の有無、損傷部位など)を考慮して、適切な術式を選択、または組み合わせて行うことでオーダーメイドの治療を目指します。

主な対象疾患

外科的治療
骨盤内臓器脱(膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、小腸瘤、肛門脱)、LSC/RSC手術、膣式子宮全摘術、膣壁形成術、会陰形成術、膣閉鎖術 等
腹圧性尿失禁:中部尿道スリング手術(TOT手術)
保存的治療
リハビリ指導(骨盤底筋体操)、栄養指導(肥満等食事指導)、切迫性尿失禁、過活動性膀胱に対する投薬、 産褥尿漏れ(助産師外来)
ペッサリー・指導

主な検査と治療

当院では最新の手術である「LSC手術」「RSC手術」を実施しています。

LSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術)手術

LSC手術は、骨盤臓器脱によって下垂した膣を、腹腔鏡下にメッシュを用いて仙骨へ固定する方法です。2016年度の診療報酬改訂より保険収載されました。当院は2013年に全国で2番目にLSCの先進医療を取得し、現在は保険診療で手術を行っています。

方法
臍部(へそ)と下腹部の5~15mmの傷で手術を行います。まずは腹腔鏡下に子宮体部を摘出します。残った子宮頚部と膣を、短冊状メッシュを用いて仙骨へ縫合固定します。
適応
TVMと比較すると、手術時間は3~4 時間で時間がかかりますが、TVMより膣からメッシュが触れにくいという差があります。このような手術の特徴から、LSCは比較的若年(およそ65歳まで)で性生活のある方がよい適応となります。
TOT手術
TOT手術は、尿道部にあたる膣壁と両足内股の付け根部分から、尿道と膣の間にテープをV字型に植え込み尿道を支えます。

お問い合わせ先 地域医療総合窓口あったかサポートセンター

相談日時 月~金 8:30~17:00
電話番号 06-6443-3470(あったかサポートセンター直通)