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がん治療センター

概要

 がん治療においては、3本の柱である手術、化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を効果的に行うことが重要です。さらに、がんに伴う症状を緩和するための緩和ケア、治療中に筋力や体力を維持するためのリハビリテーション、患者さん及びご家族に対する相談支援等が必要ですが、これらを多職種のメンバーが一丸となって提供するために病院全体を横断的に統括するのが「がん治療センター」の役割です。以下に当院で行っているがん診療について紹介します

特色・トピックス

手術療法

診療ガイドラインに基づいた標準治療を基本として行っています。従来から内視鏡を用いた低侵襲手術を積極的に行って来ましたが、2019年6月より手術支援ロボット ダビンチを用いた手術を導入しています。⇒ダビンチ手術
・2023年4月現在 泌尿器科、産婦人科、消化器外科において行っています
 ⇒泌尿器科へ
 ⇒産婦人科へ
 ⇒消化器外科へ

化学療法

化学療法運営委員会において、「有効性と安全性に関して科学的な根拠が明確である」と認められた治療を用いています。安全な治療を行うために、専用の管理システムで薬剤の投与量・投与時期のチェツクを行い、専任の薬剤師が調剤しています。外来治療においては外来化学療法室で専任の看護師の管理のもとで安全に実施しています。また、化学療法に伴う様々な副作用への対応を行います。
 化学療法室へ

オプジーボを始めとする免疫チェックポイント阻害剤を用いた際に、多くの臓器に
自己免疫疾患様の症状が起こる、いわゆる「免疫関連副作用」に対しては、関連する
診療科・職種から構成される「免疫チェックポイント阻害剤副作用対策チーム」で対処しています。

                 

放射線療法

専従の放射線治療専門医が最新の治療機器を用い、高精度照射を含む適切な治療を実施いたします。
 放射線治療科へ

放射線診断

PET/CTを2019年5月から導入しました。病期診断、再発の早期診断、及び(適応のある疾患における)治療効果判定をより正確に行うことができるようになりました。
 放射線診断・IVR科へ

がん検診

人間ドック及び大阪市がん検診を予防医学センターにおいて行っています。
 予防医学センターへ

リハビリテーション

リハビリテーション科医師の指示のもと、リハスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が行います。がんの診断後に入院して、手術、化学療法、放射線療法等の治療を開始する時点から、筋力・体力の低下を防ぐ目的でリハビリテーションを行います。万一、病状が進行した場合にも状況に応じて、生活の質を維持すべくリハビリテーションを行います。
 リハビリテーション科へ

がんゲノム医療

1. ゲノムとがん
 私たちの体は、たくさんの細胞から成り立っています。細胞の中には核といわれる部分があり、その中に体の設計図である遺伝子が入っています。この遺伝子と遺伝情報の全体をゲノムと言います。がん細胞では、様々な遺伝子の変化(変異)がおこっています。

2. 従来のがん治療
 従来、がんが発生した臓器毎に有効性の高い薬剤(抗がん剤等)を用いて治療を行ってきました。近年、がんに見られる特定の遺伝子変異を標的として効果を発揮する分子標的薬が用いられるようになって来ました。具体的には、がんが発生した臓器毎に高頻度に見られる遺伝子の変異を一つ一つ調べて、治療に用いる薬剤を決定します。このようにして、たとえば、「肺がん」と診断された患者さんは、変異している遺伝子に応じて異なる薬剤を用いて治療します(EGFR遺伝子変異があればゲフィチニブ、エルロチニブ等、ALK遺伝子転座があればアレクチニブ等、・・・)。

3. がんゲノム医療とは?
 がんゲノム医療は、がんが発生した臓器ではなく、がんの原因となる遺伝子の変異に基づいて診断・治療を行う医療です。生検や手術で採取されたがんの組織を用いて、「がん遺伝子パネル検査」と呼ばれる方法で100種類以上のがんの遺伝子を一度に調べます。得られた情報を解析して、がんの原因となる遺伝子変異が見つかった場合には、その遺伝子変異に対応する薬剤を選択できる可能性があります。 この「がん遺伝子パネル検査」が、2019年6月に保険適応となりました。ただし、対象となるのは、1) 標準治療がない固形がんの患者さん、2) 局所進行または転移があり、標準治療が終了した(または終了する見込みの)固形がんの患者さん に限られます。 がん遺伝子パネル検査を受けた患者さんの約半分で、がんの原因となる遺伝子変異が見つかります。遺伝子変異に対応する薬剤があれば、治験・臨床試験に参加したり、患者申出療養制度を用いたりして治療できる可能性がありますが、治療に結び付くのは10%程度と言われています。一方、がん遺伝子パネル検査では多くの遺伝子を調べるため、約5%で生まれつきがんになりやすい遺伝子をもっていること(遺伝性がん)がわかります。ただし、もともと調べたいがんのこと以外(遺伝性のがんなど)は、たとえ見つかったとしても結果を聞かなくても構いません。

4. がんゲノム医療はどこで受けるのか?
 現在、がんゲノム医療を行う体制づくりを国が推進しています。がんゲノム医療中核拠点病院(全国で12施設)、拠点病院(33施設)及びそれらと協力してがんゲノム医療を行う連携拠点病院(195施設)が指定されています(大阪府では、各々1、3、13施設)。これらの拠点施設でがん遺伝子パネル検査を行い、その結果に基づいて治療を行ったり、遺伝性がんが見つかった場合のカウンセリングを行ったりすることになります。詳細は、国立がん研究センター がん情報サービスのホームページ等をご参照下さい。

5. 日本生命病院にかかられている患者さんが、がんゲノム医療を受けるには?
 日本生命病院からの紹介で、患者さんの受け入れが可能な拠点施設を受診していただきます。その上で、がんゲノム医療を受けることが可能と判断されれば、診断に用いたがんの組織標本を当院より貸し出して、「がん遺伝子パネル検査」を行います。もし、がんゲノム医療を受けたいと思われましたら、担当の先生または当院のがん相談外来まで相談して下さい。
 がん相談外来へ

緩和ケアチーム

緩和ケア

 がん治療の初期段階からがん治療と一緒にうけるもので、患者様とご家族の身体的、精神的つらさを緩和する医療です。緩和ケアチームが中心となって行っています。

緩和ケアチーム

 がんの痛みなどのつらい症状や、不安などの精神的な苦痛を和らげ、患者さんとそのご家族がその人らしい生活を送れるようにお手伝いする専門チームです。緩和ケアチームのメンバーは、麻酔・緩和医療科医師、神経科・精神科医師、がん性疼痛看護認定看護師、薬剤師、臨床心理士、医療ソーシャルワー力一、理学療法士などの多職種から構成されています。それぞれの専門性を活かし、入院中の患者様やご家族の身体や気持ちの「つらさ」を緩和できるよう、主治医や担当看護師と協力しながらお手伝いさせて頂きます。
 入院中は、緩和ケアチームの担当医師や専従看護師が病室にお伺いをし、週1回は、緩和ケアチームメンバー全体でカンファレンスと回診を行っています。
 外来では、麻酔・緩和医療科のペインクリニック外来、がん相談支援センターが対応します。
  麻酔・緩和医療科へ

対象となる症状、相談内容

  • 痛みがある
  • おなかがはって苦しい
  • 息苦しさがある
  • 不安やイライラ感がある
  • 痛み止めの薬の飲み方がわからない、副作用がある
  • 夜が眠れない
  • 吐き気がある
  • 気分が落ち込む、恐れといった心のつらさ
  • ご家族の立場として、どのようにすればよいかわからない ...etc

 身体症状の中で介入依頼が多いものは'痛み'で、適切な薬剤・投与経路を選択します。特に 早期に必要な薬剤量の調整を行う必要がある場合には、点滴で薬剤を投与します。
 神経ブロック、放射線療法なども状況に応じて積極的に施行しています。また腹水に対する治療(腹水濾過濃縮再静注法)も行っています。
 精神症状で介入依頼が多いものは主に'適応障害'、'うつ'、'せん妄'で、早期に必要な薬物治療などを行い、苦痛緩和をはかっています。

在宅治療

 ニッセイ訪問看護ステーション、地域の医師会・介護ステーションの方々と協働して、在宅での療法を支援しています。

相談窓口

 患者様とご家族は、がんの診断時からあらゆる時期における症状緩和のための緩和ケアを受ける事ができます。ご希望の方は、いつでも主治医や担当看護師、がん相談支援センター(病院2階 あったかサポートセンター内)にご相談ください。

 当院でがん診療に関わる多くのスタッフが日本緩和医療学会PEACEプロジェクトに基づく緩和ケア研修会を修了しています。

がん相談支援センター(病院2階 あったかサポートセンター内)

がん相談外来

 「がん相談支援センター」では、がんに関するご相談をお受けしています。病気や治療についての理解を深め、納得のいく選択ができるように、プライバシーに配慮した環境で、看護師や医療ソーシャルワーカーなど専門のスタッフが、患者さんやご家族の悩みを解決するお手伝いをします。

対象 がんの患者さん・ご家族など
相談時間

月曜日~金曜日 8時30分~17時(年末年始・祝祭日を除く)

費用 無料(但し、がん患者指導管理料として保健診療のコストがかかる場合があります)
担当者

がん性疼痛看護認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、医療ソーシャルワー力一

相談内容
  • 病気の説明を聞いたけど、よくわからないからもう少し聞きたい
  • 治療方針を提示されたけど、どうしたらよいか迷っている
  • セカンドオピニオンを受けようか迷っている
  • 気持ちが沈み、不安が強いのでどうしたらよいのか話したい
  • 痛みや食欲がないなど、身体の不調があって困っている
  • 医療用麻薬を処方されたが、副作用などが心配で...
  • 治療費がかかりそうなので、高額医療制度などのことが知りたい
  • 仕事を続けていけるかどうか悩んでいる など

図書・情報コーナー

治療や療養生活に関する資料や書籍、講演会や講座の案内があります。
 病院2階、3階 エスカレーター横

あったか茶論(毎月第3水曜日)

 がん相談支援センターにて、2018年10月より「がんサロン」を定期開催しています。日頃の悩みを自由に語り合える場です。ぜひ、お気軽にご参加ください。(毎回、さまざまなテーマのミニ講座等も開催します)

名 称

ニッセイあったか茶論(サロン)

日 時 毎月第3水曜日 15~16時

第18回:3月18日(水)『ヨガでほっこり』 【終了】

第17回:2月19日(水)『これで安心!排便管理』 【終了】

第16回:1月15日(水)『治療と血糖値と体重管理』 【終了】

第15回:12月18日(水)『安心して食べよう!年末年始』 【終了】
第14回:11月20日(水)『がん相談支援センターを利用しよう!』& 個別相談会 【終了】
第13回:10月16日(水)『あなたが大切にしていることは?』 【終了】
第12回:9月18日(水)『受けておこう!がん検診』 【終了】
第11回:8月21日(水)『血液検査データの見方』【終了】
第10回:7月17日(水)『自分に合うリハビリカラーはどんな色?』【終了】
第9回: 6月19日(水)『ストレスとの上手なつきあい方』【終了】
第8回: 5月15日(水)『治療中に気をつけたい皮膚トラブル』【終了】
第7回: 4月17日(水)『治療中の爪と手のケア』【終了】
第6回: 3月20日(水)『口腔ケアの仕方と予防』【終了】
第5回: 2月20日(水)『がんの免疫療法ってなに?』【終了】
第4回: 1月16日(水)『治療中にできる運動療法』【終了】
第3回:12月19日(水)『症状にあわせた食事の工夫』【終了】
第2回:11月21日(水)『むくみのケアと予防』【終了】

第1回:10月17日(水)『メイクアップ講座』【終了】

場 所 日本生命病院 1F工房(あわざ大食堂の隣)
対象者

がん治療や療養をされている(されていた)患者さん・ご家族

※当院患者でない方でも参加可能です。

その他

予約は不要です。途中参加・退席もできます。

お問合せ

日本生命病院2F がん相談支援センター(あったかサポートセンター内)

TEL:06-644-33-446(代)【平日 9~17時】

キャンサーボード

 患者毎により適切ながん医療を提供できるように、各診療科の医師やがん診療に関与する看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー等が月1回カンファレンスを開催して、患者さんの症状、病態及び治療方針等について意見交換・検討を行い、情報を共有しています。

院内がん登録

 院内がん登録を完全なものとして、がん診療実績を公表します。